保育者はエンターテイナーか?モンダイ

保育者は子どもを楽しませ、喜ばせるエンターテイナーかと言われたら違うと言いたい。

 

が、

 

知人(Aとしよう)は実習に行った園でエンターテインできなかったからか、「保育者に向いていなから、この仕事につくのはやめた方がいい」と園長からいわれたそうだ。Aがその直後に別の園で実習をしていたところを見たことがあるがいい保育者になると感じたし、実際採用をしたいとさえ思った人だ。

 

WHY?、を考える人であったし、観察を良くして、気づいたことを報告もしていた。「〜〜だから、〜〜な素材を増やすほうがいいんでしょうか?この園ではどうするのがいいのでしょうか?」などの提案も質問も的確に時間を考えてするような人であった。所謂「雑用」も的確にこなす。

 

その人がなぜ、「保育に向かない」と言われたのか?

 

Aの分析では、エンターテインできない(しない)ということがマイナスだったんだと思うということであった。たしかに、Aは子どもを自分を売って「楽しませる」ということはしない。あえてしていない。これはしっかりとAが大学で勉強をしたことを実践しようとするとそうなるのだと思う。真面目なのだ。その場しのぎでアニメの歌をリクエストされるがままに歌ったり、絵をかき続けたりしない。

 

そもそも、夢を叶えようとしている学生に面と向かって「向かないから保育者はやめた方がいい」と担当教授でも親でもなく、数日間一緒にいるだけの園長が言ってもいいものなのだろうか?Aはとても傷ついていた。

「うちの園にはあわない人だ」と思うくらいの所でとどめておけなかったのだろうか‥‥‥。

 

幸いたくさんの励ましを受け、諦めずに就職活動をして、Aは今素敵な園で活躍をしている。

 

学校で学んだことを実践、活かせる現場が少ないことは由々しきモンダイである。

 

学校で学んだことが「理想」で終わっていいのだろうか?

このジレンマで苦しんでいる保育者はたくさんいる。

そして、学校で学んだことを実現すること、したいということを「若いからそんな甘いこと言う」「理想論だ」と言い切ってしまっていいのだろうか?では養成校では何のために教えているのかということにならないだろうか?

 

これでは保育者は現場に残らない・・・。

寂しいことでである。